姫路ばら園

  ひょうごローズクラブの発足、心から嬉しく思います。ひょうごの人々とバラの花のかかわりが一層広まることでしょう。

 バラの美しさは人を魅了し、香りは心を癒し、そして活力を充たしてくれます。バラは開花期が長く、5月から12月までガーデンを彩り、同じ花、葉でも、四季の温度変化で微妙な色彩の変化が楽しめます。春のバラは誇らしげに咲きみだれ、そして光沢のある緑の美しい葉には希望や活力がみなぎります。

 何といっても春の醍醐味はツルバラです。ツルバラを1本植えることで庭の表情が一変して豊かになります。私は一季咲きをお勧めします。成長が早く花つきもよく、思いのままにツルが弧を描き、フェンス、アーチ、パーゴラ等で高さを出せ、バラの花がいっぱい咲いている様子は感動を呼びます。秋は春より花数が少ない分、ひと際花が大きく、深紅のバラが青空のもとで咲いている様は凛とした美しさで、気品すら感じます。

  また、私は冬のバラの風情も好きです。幾重にも色を重ねたような厚みのある葉の中に渋い花色のバラが寒さに耐えて咲く様にいとおしさを感じます。

 私のガーデン「姫路ばら園」では、花の咲く季節に多くの人々が訪れ、私の愛するバラたちの魅力を堪能していかれます。
 オールド・ローズ、マザーローズ、野生バラ、パティオ・ローズなどのコーナーに区分して、珍しい品種も取り揃え、白バラで作ったかまくら、ウィーピング仕立て、ベット仕立て、桐の木に絡ませたピンクのバラなど、700坪の庭に800品種 3500株のバラを植えています。
 色とりどりのバラが白いビーナス像やプロバンス風の小屋と競演して、まさにいたるところが癒しの空間なのです。そして春のバラ園を華やかな花の海原に例えるなら、秋は貴婦人のよう
に凛とした美しさを見せてくれます。

 このローズガーデンはふたつの川の中州にあって、春は桃、杏、桜、そして菜の花、夏の夕闇に浮かぶ、白く糸を引いたような儚く美しいからす瓜の花が咲き、そして秋にはその実が赤く熟す、また白鷺や青鷺、渡り鳥などもたくさん見られる、そんな自然いっぱいの川原の土手を私はとても気に入っています。またガーデンにはティールームがあって、ローズティー、花びらのお菓子、アイスクリーム、シャーベット、バラのトースト等でくつろいでいただけます。

  ぜひ皆さまに見ていただきたく、ご来園をお待ちしています。

ひょうごローズクラブ理事   
姫路ばら園  上野 昭子    
(掲載日 2007.06.02)