バラ達人養成講座第5回が行われました。
1 日 時:平成30年1月28日(日)10:00―12:00
2 場 所:播磨中央公園サービスセンター及びバラ園(現地)
3 講 師:前野 義博 氏 (ひょうごローズクラブ副理事長)
4 参集者:ローズクラブ会員26名、一般参加2名
5 内 容:今シーズンのテーマ「一枚上手のバラの咲かせ方」
【バラ園での実習】
バラ園でバラの冬剪定の考え方を学ぶ。
バラの芽は株元にある。そこから太いシュートが出ているので、それを残す剪定をする。
特に鉢やプランターの場合、芽が枯れるかもしれないので、外芽で切るということばかり気にしない。
剪定時に土づくりをしっかり行う。根を切ることで新根を促す。株直下に根が沢山出るようにする。弱い株はあまり切り詰めないこと。
<バラの冬剪定講習風景>
【講義】
<挿し木の方法(休眠期)>
≪挿し穂≫
剪定した枝を15cm位に切りそろえて、少し湿らした新聞紙でくるみ、ビニール袋で密閉し
て野菜室に1カ月置く。(切り口にカルス形成する。そこから根がでる。)
採取時期と品種を記入しておくこと。
挿し木は3月以降に行う。
≪挿し床≫
カルスができたら、バーミキュライトや赤玉土にしっかり挿す。(穂の半分位の深さ)
日陰に置く。ひなたでは土の温度は高くなる。暖房の部屋は禁物。
地上部は変化無くてもじっくり根は伸びる。1年後には定植できる。
<接ぎ挿しの方法(休眠期)>
台木の調整・・・日本ノイバラを使う。台木の上の枝は総て切り、根だけにする。
台木に芽を残さないこと。
台木の端を斜めに切って形成層を露出する。表皮から1mmのところを1.5cmほど切り下げる。
穂木の調整・・・前年に延びた充実枝直径7mm程度のものを7cm位に切って用意する。
芽を傷つけないようにとげを取る。
穂木の下の部位の先端を鋭く切る。
幅5mm長さ1.5cmほど表皮をごく浅くそぐ。形成層を露出する。
≪手順1≫ 調整した穂木を調整した台木に差し込む。
形成層が互いに接するようにぴったり付け台木の削った表皮で穂木を覆うよう
にして、接ぎ木テープで巻く。(ロウでできているので、外す必要無し)
≪手順2≫ 培養土にしっかり植え込む。かん水し発根を待つ。上から新聞紙で覆う。
<接ぎ挿しでスタンダード仕立て>
台木のノイバラの芽を総てとる。ノイバラの枝を50-100cm程度にする。
先端部分の形成層を出す。
穂木を3本接ぐ。1本でよいが、2本は保険にする。
台木はそのまま挿して発根を待つ。
<休眠期の挿し木、接ぎ木のポイント>
接ぎ木では台木と穂木の形成層がしっかり接するようにすること。
挿し木では挿し穂の切り口のカルス形成には1カ月くらいかかる。
挿したあとは、暖かいところや直射日光にあたるところには置かない。
<接ぎ木の仕方講習風景>
【受講者からの質問と講師の回答】
<質問1> 風で株が痛んだと感じる。これからの管理はどうすればよいか?
≪回 答≫ 一時的に弱って見えるが、回復するので、長期的には通常の管理をする。
生育不良は土壌や肥料の影響のほうが高い
<質問2> 冬植えの時の堆肥の量はどのくらいの目安か?
≪回 答≫ 植え替えごとに堆肥は施用する。回数ではなく、一回の量が重要。
土壌2?3割までにする。一度に多いのはよくない。
<質問3> つるバラの誘引について
≪回 答≫ 水平より下に芽を向けるとその芽の生長は止まる。
<質問4> 草おさえに防草シートをしているが影響はどうか?
≪回 答≫ 一年目は良い効果ばかりだが、2年、3年と年数が経つと、黒点病などの病害虫の巣と
なるので、こまめな張り替えが大切。
耐久性があるので張りっぱなしになるが、万博公園で、防草シートをとったら物理性
が改善されて生育が良くなった。
<質問5> 山の中のバラ園で、モグラの被害で生育不良となった。対策はないか?
≪回 答≫ 対策なし。いろいろ市販のグッズを試したが、すぐに慣れて効果なくなった。
<質問6>'ピエール・ドゥ・ロンサール'の誘引について
≪回 答≫ シュートをのばすが、横に伸ばすこと。水平より下になると芽は止まる。
<質問7> 石灰硫黄合剤に散布について
≪回 答≫ 大変よい剤。私も良く使う。いまなら10倍から20倍の濃さで散布する。
丁寧に切り口から株全体まで、まんべんなく散布すること。
<質問8> 堆肥の良いものは何か?
≪回 答≫ いろんなものを使う。最近はニームの絞りかすの堆肥を使う。気に入っている。
<質問9> 植え替え時期はいつか?
≪回 答≫ 鉢植え、花壇植えなど頻繁に植え替えた方が、株は良くなる。
<質問10> ツルバラの強い剪定は何時が良いか?
≪回 答≫ 花が咲き終わった夏、地上部を切る地下部も根を切って新しい根を伸ばす。
質問終了後、講座4回以上出席者の修了証書が前野講師より渡されました。
講座生全員に'ハナグルマ'の苗が配布され、平成29年度のバラ達人講座は終了しました。
<受講生の皆さんにお渡ししたバラ苗'ハナグルマ'>
|