令和元年度 第2回バラの達人養成講座が開催されました。    
1 日 時: 令和元年9月1日(日)10:00-12:00
2 場 所: 兵庫県立播磨中央公園サービスセンター及び四季のばら園(現地)
3 講 師: 前野 義博 氏(ひょうごローズクラブ副理事長)
4 テーマ: 夏剪定について

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講義風景

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剪定実習風景

【「剪定→枝を切ること」の必要性】
  剪定しなくても花は咲く。
  剪定するとよい花が咲き、株全体も健全に育つ、木の老化を防ぐ。
  剪定シーズンは夏と冬。夏剪定は秋バラを咲かせる、冬剪定は春バラを咲かせること。
  ただしそれぞれの品種に合わせて。適期に適切な方法で行うこと。
  夏剪定は、丁寧な作業が必要となる。

【秋バラの特徴】
  剪定の位置によって開花までの期間に差がでる。40日から50日かかる。
      9月10日ごろの剪定(2番花の枝の1/3まで切りつめる場合)で10月20日ごろに開花。
      じっくり成長するので、しっかりした花と引き締まった花色になる。
      春バラより評判がいい品種もある。
  冬剪定を考えた枝の残し方をすること。

【作業とその効果】
 <株の更新>        
   枝を切ることでシュート(新梢 新しい枝)の発生を促すことになる。
 <株をコンパクトにする>  
   樹形の乱れを整える。
 <株の内部に光を当てる>  
   古枝や細い枝を除去することで、風通しを良くし、株の充実と病害虫の発生を少なくする。
 <バラの落ち葉の清掃>   
   病気の発生が少なくなる。
 <花の数を制限する>    
   大輪を咲かせる。(切りすぎに注意・・・芽が動かなくなる場合もある。)
 <剪定位置を浅め(高い)に>
   早く咲く。深い(低い)位置だと遅くなったり、動かなくなったり不安定。
 <たくさん咲かせる>
   枝を多く残すと小ぶりな花がいっぱい咲く。

【受講者の質問(Q)と先生(A)の回答】
 Q 芽が動きだすとはどのような状況か?
 A 芽がふっくらしてきた時で、肥料などをやる目安にする。

 Q たい肥のやる時期は?
 A マルチング(地面の被覆)ならいつでも良い。 
   葉が落ちたら、古いマルチ材は取って新しいマルチ材にする。
   土に混ぜる場合は、中耕(浅く耕す)の時に土と混ぜて施用する。
     →土が締まりすぎると生育に響くため。
   たい肥として腐葉土など使う場合は値段の高いものを使う。
   外国産は日本にいない、虫や菌を持ち込む場合があるので、要注意。

 Q バラが枯れたあとにまたバラを植えたいがどうしたらよいか?
 A 土はバラが植わっていない土を使う。しかし、すぐバラ苗を植えるのではなく、
   草花などバラ以外のもの、大豆や野菜などを作付けるとよい。
   土の状況に変化をもたらす方がバラの生育にプラス。
   但し、隣接しているバラの間の苗の捕植は、周囲の他のバラに養分など取られ、
   苗は成長できないため、お勧めしない。

 Q 土壌改良の時期は?
 A 冬の剪定後。株を動かすなど大胆にしてもよい時期。古い土を払って新しい土を
   足して植えるとよい。
   鉢植えなら鉢替え(増し土しなくても効果あり。)だけでも新たな根が出る。
   数年放置すると排水不良になるくらい根が鉢下部で根詰まりを起こしている場合が
   あるので、鉢栽培は鉢替えを毎年するほうがよい。
   地植えの場合、生育悪いところは表面を削って客土をするのもよい。
   たい肥を穴施用する場合 一番花後は浅く、冬は深く穴を掘ってたい肥を入れる。
  
  Q ハサミと手のピンチ、どちらがよいか?
  A 若い芽の時、手でピンチすると次の花の成長が早い。
    樹のために花を咲かせない場合は、手でピンチできるくらいの若いつぼみの時に行う。
    ハサミでとれるほどつぼみが大きくなったら、既に栄養を奪われているので、遅すぎる。

  Q 葉がなくなった株は植え替えをしたほうがよいか?
  A 肥料はやらなくてよい。そのままでよい。

  Q つるバラの先がくしゃくしゃになっているが原因は?
  A 枝先がやられているということは根がやられているということなので、土の状況を
    確認すること。

※ これからコガネムシの幼虫の根の食害被害が出てくるので、特に鉢バラでは、根の状況に
  十分注意してください。


    第3回は9月13日(日)10:00-12:00